「世田谷区都市整備方針中間見直し(素案)への意見書」

都市整備方針は、「平成7年に策定し、おおむね20年間(平成27年度まで)を見すえた方針であり、定期的な改訂等は、原則行わないが、策定から前半10年が経過した平成17年時点での地域整備方針の見直しに合わせ、一部改訂を行った」とのことですが、この「前半10年」の社会の状況や区民の意識の変化は非常に大きかったと思われます。今回の「一部改訂」では、この大きな変化に対応しきれていないのではないでしょうか?

それでは、北沢地域整備方針について意見させていただきます。

●2│北沢地域の街づくりの主要な目標では、街づくりのテーマとして(4)きめの細かい修復的な街づくりを基本とすることにおいて、「抜本的な都市改造を目指すことは、多くの年月と困難を伴う。また、都市整備上の課題が解決できる反面、その地域の時間的な積み重ねによる街の形成過程や記憶などの大切な環境を失う危険性がある」とうたっています。 けれども、2−3地域の骨格プランにおいて、現在世田谷区が進めている地域交通ネットワーク軸の(イ.補助54号線)については、現状の地形・街並みへの配慮や、きめの細かい修復的な街づくりの精神が全く感じられません。

●2−5 防災街づくりの目標において、延焼遮断帯の形成を目的として都市計画道路を優先的に整備・促進するように規定しています。しかし、これが既存道路の拡幅などによって作られる道ではなく、現況の街並みに全く配慮されていない新規道路であることを考えると、その計画はあまりに無謀と考えざるをえません。
また、住民への防災設備の情報提供など、現在の街路状況でも可能な防災計画を、まず提示するべきではないでしょうか。

●3−1 北沢地域の市街地整備の方針
(8)商業拠点形成地区において、下北沢の駅周辺地区は地域住民の合意形成をはかりながら進めるとされております。現在計画が進んでいる補助54号線、区画街路10号線を含む街づくり計画も、街づくり協議会等の自由な市民参加を保証する継続的な場をすみやかに設け、再検討を計る必要があると考えます。

●3−2 道路・交通体系の整備方針
「北沢地域は、鉄道網の面では大変便利であるものの、車社会である現代の自動車利用を支える道路については整備が遅れ、ネットワークが組めない状況にあるため、完成部分に負担が集中する傾向が見られる。したがって、幹線系道路の建設および環境整備を進めることは急務であり、国、都等と共にそれぞれの役割分担に応じて積極的にこれを進めるものとする」とあります。
けれども、世田谷区は完成部分に負担が集中する傾向を数値的に裏付ける、きめの細かい交通量調査さえおこなっておりません。
またCO2削減などが義務付けられ、環境にやさしい都市づくりが求められている昨今において、いまさら車社会をさらに促進するような新規幹線道路をつくり、新たに街のスクラップアンドビルドを主体の再開発をすることには、大きな疑問を感じます。
鉄道網の便利さが既存条件としてあるのならば、それを生かし、車に頼らない街づくりを目標とするべきではないでしょうか。

以上を持ちまして、以下4項目を要請します。

1.街づくりのテーマに反する補助54号線の見直し
2.新規道路に依存しない即効性のある防災計画の提示
3.自由な市民参加による下北沢駅周辺計画の見直し
4.車社会を第一義とした道路・交通体系整備方針の見直し