曽我部:最近、外国からシモキタに偉い人が来ましたよね。

金子:あ、レルネルさんのことですね。あの人はブラジルのクリチバっていう都市の市長さんだった方です【※図4】。
彼の独断で進めたクリチバの都市計画が、奇跡的に素晴らしい都市を作り上げたっていう実績で、そのあと国際建築家協会の会長さんにもなりました。
彼が最初にした画期的な事業は、「花通り」っていう歩行者専用道路の計画でした。
それは商店街にあった車道を歩行者専用道路に変えた計画なのだけど、最初商店主たちはそれを大反対したらしいのね。そんなことされたら商売がだめになると‥。
で、連休中の3日間、お店が閉まっている間に、アスファルトを剥いだり、用意しておいたプランターを置いたりして工事を決行してしまいました。
結局1ヶ月たったら、お店の売上が3倍に伸びて、隣の道の人も歩行者専用道路にして欲しいって言い出したわけ。
曽我部:へー。面白いね。で、その人がシモキタに来てなんて言ってた?
金子:小田急線の工事現場をみて、「この跡地が自由になるのか?素晴らしい!みんなここの使い方を考えようよ。」って言っていました。
また、54号線の計画地に立ってね、「誰がここを、道路をつくるのに最適な場所だなんて考えたんだろう??」ってあきれていました。
彼はアイディアで街を良くしてきた人だから、「夢のある計画を書いてみんなを納得させないと駄目だよ」と助言をしていきました。
曽我部:そうだね、「それいい計画だね〜」っていうのがあればね。すごく前向きっていうか、街も良くなるし、みんなも楽しいね。
金子:「下北沢にこんなものがあったあ、もっと魅力的になる」なんてアイディアありませんか?

曽我部:ん〜、たとえば野外音楽スペースとかどうですかね。絶対楽しいと思うんだけど。
金子:あ、それは楽しいね! この前、レルネルさんが来たときの講演は「都市は問題ではない、解決だ!」っていうタイトルでした。
都市計画は将来の夢を語ることなのだから、「問題だ!」って難しい顔をして考えるんじゃなくて、楽しくやろうぜってことだったのね。野外音楽堂ができたら、演劇祭とか音楽祭とかやれますね。
曽我部:うんうん。あと、ユースホステルがあるといいね。
なんか街のあり方として、ミュージシャンもみんなその街が好きで、住んでてっていうのは良いと思う。
イギリスでいったらブライトンって街があって、ファットボーイスリムとか、昔はムーンフラワーズとかいて、今でもブライトンで音楽をつくっている人が結構います。
2〜3年前にそこの音楽フェスでやったのね。狭いビーチに何十万もの人が来て。街の人たちが「ようこそ」みたいな雰囲気があるのね。そういうのいいなって思う。
金子:いいですね〜

曽我部:野外音楽堂みたいのを下北沢の街で運営することになったら、フリーライブみたいなものが割合簡単にできるじゃないですか。
その辺が重要だなって思っていて、ライブハウスとかはあっても、営業しているわけだから、チケットとか高くなっちゃうし、もっと自由な感じで街の人が見に来られるライブとかが、週末とかにおこなわれるような感じだといいですね。
金子:この駅前広場として予定されている敷地、結構でかいですよね。ロータリーにするのはもったいない【※図6】。
曽我部:いいね。駅前に野音どう?駅前なら音出せるし。
金子:朝市とかもできますね。多目的にすればいいんだよね。
曽我部:まあ土地が高いからな。ゆとりが持てないんだよね。
その考え方が根本にあるから、街のビジョンを共有していこうというゆとりのある考えが持ちづらいよね。