勉強会をやりました【その5】



5.下北沢の小田急線地下化跡地はどうなるの?

◆小田急線跡地は公共利用が優先
小田急線の地上部分は小田急電鉄が勝手に利用計画を立ててよいものだ、と思っている人が圧倒的に多いと思います。しかし、(*)小田急線の連立事業は税金(道路特定財源)や乗客への上乗せ料金、超低利の公的融資を使って行われる都市計画事業であり、公共事業なのです。

(*)この事情については、「まもれ!シモキタ通信 4号」に掲載した「小田急線連立事業は公共事業 跡地利用は行政=市民にあり」をお読みください。

公共事業である以上、敷地の利用方法にはルールが定められています。連立事業をつかさどるルールは国が定めた「建運協定」(都市における鉄道と道路の連続立体交差に関する協定)に基づいています。

この「建運協定」によれば、跡地のうち在来線部分の15%分の面積は、鉄道事業上不可欠な用地は除いて公共側(都、国、世田谷区)が自由に使え、そのほかは複々線部分も含めて使用料を払うことを条件に、公共側が優先使用できることになっているのです。


◆行政は跡地に何を作ろうとしているのか?
2000年の東京都の調査報告書は2003年10月に開示されましたが、この調査報告書には、小田急線の地下化後の跡地利用について、いくつかの事項が書き込まれています。

まず、巻末には小田急線の跡地上に幅広い緑道を取る絵が書き込まれています。また、鉄道跡地の利用計画として、「地域行事のイベント広場の整備、情報受発信基地としての創作広場、この創作広場には演劇の町の一環を担う野外劇場」という記述もなされています。さらには、「駅前広場及びその他の地下部分に耐水性貯水槽の設置」ともかかれています。

また、下北沢駅整備イメージ図には、下北沢駅から鎌倉通りにかけてと駅から茶沢通りにかけて、「モール型商店街の誘導」と書かれていることも特筆すべきでしょう。


◆行政は、今こそ、すべてを明らかにして、転換を
行政が跡地利用の方法について、区民に対してオープンに議論をしてこなかったことは問題です。行政は小田急線連立事業や下北沢の街づくりにおいて、権力の甘い汁をちらつかせ、あるいは権力を笠に着て情報を操作し、あるいは行政情報をうのみにすることを強いてきました。このような姿勢を転換させることが何よりも必要です。既に手に入れた基礎調査報告書などの基礎資料を市民側が十分読み込んでお役人と時間の制約なく話し合えば、真実はおのずとわかるはずです。ごくまっとうな手続きさえ区の役人が保証すれば、下北沢の街づくりの問題は方向性が見えてくるはずです。役人のこれまでの誤りはすでに集めた各種資料でも明らかですが、このことは裁判を通じてより明らかにされ、行政側を追い込んでいくことになるでしょう。そうであればこそ、ラウンドテーブルの可能性は、ありうるというべきでしょう。

ラウンドテーブルが実現するかどうかは、極めて政治的な状況情勢が左右することも否めません。裁判と並行して、ラウンドテーブルの可能性がないわけではありません。もし、まっとう対等な対話の場が保障されるならばラウンドテーブルはすぐ始められるし、既に跡地利用について公的文書に囲い込まれている事案を一つ一つ検討していくだけでも、行政の考え方を少なくとも理解することは出来ます。問題は小田急電鉄の望む商業施設ですが、これも情報がオープンにされた方がよいでしょう。公共側のビジョンと電鉄側のビジョン。連続立体事業での費用負担の状況、受益者負担金の根拠、そういったものを洗いざらい提示した上で、街の在り方を考えることが必要なのではないでしょうか。


【関連サイト】
シモチカナビ:http://www.shimochika-navi.com/
(小田急電鉄による、地下化工事の情報提供サイトです)


PA290016.JPG

※写真は、小田急線地下化工事の模様です。


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以上で、5回にわたってお届けしてきた「第一回勉強会」のご報告は終わりです。

その後も、下北沢再開発問題や市民運動について、一歩踏み込んで研究する勉強会を連続して行っています。

次回の勉強会は、下北沢再開発問題のこれまでの市民運動の経緯や運動の主張について分析するものになります。「セイブ・ザ・下北沢」に所属する社会学系の大学生・大学院生が執筆した卒業論文・修士論文の発表会も兼ねています。

今回の勉強会は、下北沢の古本カフェ「気流舎」で行います。
どなたでもご参加できますので、ご興味をお持ちの方は是非お越し下さい。

日時:2008年2月16日(土)午後7時〜9時半
会場:気流舎 http://www.kiryuusha.com/
地図はこちら
料金:無料(ワンオーダーお願いします)
(参加を希望される方は、事前にinfo@stsk.netまでご連絡ください。)


(くやま)