私たち“Save the 下北沢”は、2003年11月に都市計画道路補助54号線の中止を主張の中心に掲げて活動を開始しました。この道路は環状7号線と同じ巾の26m道路であり、なにより戦災復興を目的とする1946年の都市計画をもとにした、現在の都市事情をまったく考慮していないものです。
さらに2004年11月に世田谷区は“54号線”の建設を前提として下北沢周辺の高層化を誘導する“下北沢駅周辺地区地区計画”を発表しました。この“地区計画”は現在の魅力ある街並を、高層ビルが並ぶチェーン店ばかりの“どこにでもある味気ないマチ”に容易に変えてしまう性格を持っています。
また何よりも問題なのは、どちらの計画も当事者である計画地に住んでいる住民やシモキタで今お店を開いている商業者にすら、ほとんど説明がなされずに立てられたものだということです。
そのため“Save the 下北沢”では、“54号線”と“地区計画”という2つの都市計画に対して「事業認可が下りる前に計画の見直しを!」を主な目標として、今まで活動を続けてきました。
さて、すでに新聞やTVの報道でご存知の方も多いと思いますが、去る10月18日に世田谷区の都市計画審議会で、区が推進する地区計画が了承されました。また、この審議が行われる直前、東京都は歩調を合わせるかのように補助54号線の事業認可を下ろしています。
私たち“Save the 下北沢”は、これらの計画決定がいかに民意を反映せず、手続き上の綻びを抱えたまま、強引なやり口で進められたものとして、大きな問題点を以下のように指摘します。
1. 今回の審議会の議論の材料として提示された意見書のうち、賛成意見の大半は、区が作成した「ひな型」によるものだったと報じられています。これは行政の中立性を明らかに逸脱した暴挙であり、世田谷区職員による職権乱用です。このような明確な違法行為は、都市計画審議会の会長からもあってはならない行為だと指摘されました。
2. 世田谷区が法律を破ってまで賛成を増やそうと工作した意見書ですが、結果的にそのうちわけは、反対6割、賛成4割と反対多数でした。それにもかかわらず、都市計画審議会の答申は、意見書の多数派を無視した結論を下したのです。
(※これらの詳細は「下北沢フォーラム」のホームページに詳しく掲載されています。)
私たちの運動が大きく世間の注目を集め、都市計画の見直しが強く叫ばれているにもかかわらず、今回下北沢の都市計画は行政により強行されました。なんの見直しもされぬままに事業認可がなされ、地区計画が了承されたことはとても残念でなりません。しかし現在の状況を打破する方法は、確実にあります。
すでにこうした行政の暴走に歯止めをかけるため、在住の方やお店を経営されている地元の方を中心とする「まもれシモキタ!行政訴訟の会」が、今年9月、東京地方裁判所に、この都市計画の違法性を追求する訴訟を提起しており、きたる11月20日には第一回の口頭弁論が開かれます。法律さえも無視した行政の進め方は、司法の場においても必ずや厳しく裁かれることになるでしょう。
加えて来春には、世田谷区長選を含めた統一地方選挙もあります。この選挙を機に、現状にそぐわず、しかも民意を反映していない下北沢の都市計画は、滋賀県栗東市の新幹線新駅問題(Yahooニュース)と同じように、とりくみを変えられる可能性があります。
今は悲観している時ではありません。ふつうの感覚を持ったまっとうな市民の想いをこれまで以上に集め、力とすべき時です。今まで行ってきた多くの取り組みは、下北沢の魅力をしっかりと見据え、これから何を大切にして街づくりを行っていくべきかを明確に示しています。多くの協力者から届いた数々の代替案は、現在の行政プランにおける問題点を適確に指摘し、より良い計画を考える上での力強い資源となるでしょう。
都市計画はじめ旧来からある行政から押しつけられた様々な計画は、実態に合うように変更されるべきものです。下北沢の再開発問題は、そうした時代の要請をいち早く実践するための好機です。私たち“Save the 下北沢”は、下北沢が「21世紀の日本の希望を象徴する街」になるべく、今まで以上に力を尽くしていきます。今後もご支援をよろしくお願いします。


